2015/10/06

10月3日のこと。





朝、いつものように猫の世話をしていた。トイレを掃除し、ごはんをあげる。
最近、ケージを開けっぱなしにしている事が多かったので、その時も、そのままだった。
ごはん食べてるなーと思いながら、台所で洗い物をしていたら、カタンと音がして、網戸の隙間から猫が外に出たのがみえた。

この瞬間の、血の気が一気にひく感覚を、わすれられない。

はち!はち!と名前を呼ぶも、不思議そうに庭におりて、草のにおいを嗅いでいた。

急いで寝室で寝ていた彼氏を起こす。多分、余裕がなくて、すごい形相だったと思う。

ふたりで窓から名前を呼んで追いかけようとすると、サーッと走って庭を突き抜けて、隣接している緑道へ出て行ってしまった。
それから、ショックで頭が真っ白になって、何が何だかわからなかったけど、すこし落ち着いたら後悔の波が押し寄せてきた。あの時窓を閉めていれば。ケージの扉を開けていなければ。洗い物せずにすぐそばで見張っていれば。
すこし落ち着くと同時に、誰よりも猫を可愛がっていた彼に対し、どうしようもなく申し訳ない気持ちになった。

昔、わたしの可愛がっていたインコを、母が不注意で逃がしてしまった時、母を責めたい気持ちになったことがあるのを思い出した。他者の過失。謝って済むことではないが、詫びた。
彼は一切わたしを責めることはなかった。

なぜか、その日の朝、わたしは夢を見たんだった。猫を抱っこする夢。懐いていない元野良猫のため、普段は絶対触らせてくれないのに、夢ではなついてきて、抱き上げていた。「こんなにフワフワだったんだ」と感激し、嬉しい気持ちでいっぱいになったのを覚えている。

あれから4日が経とうとしてる。
毎日毎日チラシを作って手配りしたり、朝晩緑道をさがしまわったりしているけど、まだ、見つかってない。いなくなった当日、隣の御宅の木の上で休んでいるのと、そのさらに隣の家の軒下に隠れているのを見たきりである。
きっと、おなかがすいているだろうし、昨日から急に冷え込んできた。
はやく帰ってきて欲しい。





0 件のコメント:

コメントを投稿