2013/06/09

贖罪


 
 
 
 
湊かなえさんの「贖罪」、読了。
 
ひとつの殺人を起点として、関わった人間の心理を
過去にさかのぼりながら、語りかけるような文章で
書かれたサスペンス小説。
 
“殺す”=“罪”という正義感が覆されそうになる。
正確に言うと、殺すことは良くないことだが、その
動機については多岐にわたるということ。
 
世の中には、身勝手な理由で人をあやめる者もいれば、
小説と言えど、自己防衛やある決定的な理由で
殺人を犯す者もいる。たとえば、怨恨とか。
後者を肯定するわけではないけれど、
物事には色んな側面があるというのを改めて思い知らされたなあ。
昔読んだ、「青の炎」を想起させる。
 
あとがきの、黒沢清監督のインタビューもおもしろかった。
その一節にある『映像化する場合、
どんな悪人でも殺人鬼でも、
撮影しているあいだぐらいは、
その人物を好きでいたいと思うのです。』
というのを見てドラマも見てみたくなった。
 
 
 
 
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿